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2010年07月22日
【Comics_Review】 うぽって!! 1
私は所謂「擬人化モノ」が大好きだ。
・・・と言っても最近のハリウッドで大量生産されている3Dアニメのような魚や蟻といった、生物からの擬人化よりも、ゲーム機とか人工衛星や電車(路線)のような有形のモノからOSとか国や都道府県といった無形のモノに至る非生物(無機物)からの擬人化を取り扱った作品に、より心を奪われる。
そこで、擬人化というものを世の東西における擬人化とその作品に対するスタンスの違いという観点から考察してみるとなかなか面白い。
実際に擬人化作品を比較してみると、見た目についてはハリウッドを始めとする欧米の作品は擬人化を施す対象物の姿を保つたままで描かれることが多い(例:ニモ(魚)、LuxoJr(電気スタンド))が、日本の作品は擬人化を施す対象物の姿・特徴を抜粋し、それを人型に当てはめた姿で描かれることが多い(例:はやぶさ(人工衛星)、me(OS))。
物語や構成については、欧米の作品は既存のものから大きく逸脱することなく、登場人物を擬人化対象物に置き変えて制作されているが、日本の作品は擬人化対象物の性格や機能、生い立ちや道程までも擬人化し、それを元に制作されている。
このように、欧米における擬人化はあくまでも人間が演じていたものから物質、生物への置き換えであるのに対して、日本の擬人化は物質、生物から人間への変化(進化)であることが分かる。
なぜこのような擬人化へ対するスタンスの違いが生じるのか・・・それは民族の成り立ちの根源たる宗教・・・キリスト教という一神教を崇拝する欧米人と八百万の神という多神教を信仰する日本人の違いと言っても良いかもしれない。
キリスト教は一神教であり、それは神(又はそれに仕える人間)を頂点とするヒエラルキを基本構造としていることから、生物や自然に至るあらゆる物は神(人間)の支配下に置きコントロールされるべき存在であると位置づけている。
逆に八百万の神は多神教であり、神というものはあくまでも自らの隣に居るもので、神や人間、その他の生物から自然に至るあらゆる物は横並びで存在するものであると位置づけている。
両宗教を崇拝、信仰する人間にとってそれらに対しては知識として理解しているといった類のものではなく、感覚として持っているものであり、それは言ってしまえば民族の記憶に則したものであるからと私は思っている。
だからこそ、欧米において人間でないものが人間の格好を模した擬人化作品は制作されることもあまりないし、逆に日本においては特にこだわりも無く制作されているのだろう。
閑話休題。
長々と「擬人化」について書いたけど、じゃあ肝心の「うぽって」って何の擬人化かと言えば、題目を見れば分かる(「うぼって」は「てつぼう」のアナグラムですね)とおり「鉄砲」の擬人化、特に軍用小銃の擬人化作品である。
作品自体は、そもそも私が天王寺きつねの画風をあまり好まないという事を除外すれば、なかなか楽しい作品に仕上がっていると思う。
擬人化の王道であるキャラクタ別の性格付けやビジュアルについては特に問題ないし、物語の構成自体も特に読みにくい等のことも無く、ストーリの途中で4コマ漫画が挿入されている(これは作品の企画段階での名残だそうだ・・・)のだが、それが逆に擬人化作品に必要なキャラクタの魅力の向上に一役買っていると思う。
あえて難を言えば、擬人化されたキャラクタと対比させるべく存在するはずのキャラクタがいまいち弱いという事。この作品は「学園コメディ」なので小銃が生徒、人間が教師として描かれているのだけど、如何せん教師に魅力がなさ過ぎる。そもそもあまり作品自体に登場していないので物語に干渉する事もあまり無いんだけど、もう少し絡みを増やせばもっと楽しい展開が期待できるのになあ・・・なんて、ちょっと惜しい気がしますね。
あと、日本の小銃も登場させてもらえるともっと楽しいのにな・・・なんて思っているのだけど、コレはただ単に作者が64式や89式を撃った事が無い(当然か・・・)か、思い入れが小さいからだとは思うけどぜひ登場させてほしいですね。
・・・とまあ、またまた長文をつらつらと書きなぐってきたのだけど、コメディとしては標準的な仕上がりだと思うので、興味がある方は一読してみてください。擬人化ギャラが好きな人にとってはそれ以上に楽しめる事請け合いです。
≪補足≫
この作品を読んで初めて知ったことだけど、世の中では7.62mmの弾を使用する小銃を「バトルライフル」、5.56mm弾を使用する小銃を「アサルトライフル」と呼称しているみたいです。・・・このような1蘊蓄が得られるところも擬人化作品のいいところですね(^^)。
この作品を読んで初めて知ったことだけど、世の中では7.62mmの弾を使用する小銃を「バトルライフル」、5.56mm弾を使用する小銃を「アサルトライフル」と呼称しているみたいです。・・・このような1蘊蓄が得られるところも擬人化作品のいいところですね(^^)。
投稿者 Humi : 23:43 | コメント (0) | トラックバック (0)
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